戦国の名将、敗将、女たちに学ぶ一城一話 55の物語
■47都道府県、55の‘名城’と「そうだったのか!?」とくるエピソードの数々■北海道から沖縄まで城や城址のないところはありません。
城じたいは知っていても、そこにまつわる逸話の数々は知られていないもの。
一城一話の簡潔なスタイルで松平定知氏が語り下ろします。
■安土城と織田信長より■ 一般に城の建設は「攻められにくく、守りやすい」が原則です。
それが幅8mの道が180mにわたって直線的に続く……。
こんなことはそれまではあり得ないことでした。
安土城が戦うための城ではなく、見せるための城といわれるゆえんです。
(中略) 見せるための城でいったい何を見せるのか? それは、自分の威信を天下に見せるのです。
「天下布武」を宣言した信長の権力です。
その象徴と位置付けたのが安土城だったのです。
大手道はなんでそんなに広いのかというと、天皇が安土城に来られることを想定していたからです。
(中略) 天皇をお迎えする本丸は、信長の起居する天主よりも下にあり、天皇を見下ろすことになります。
信長は天主で起居し政務を取り仕切っていました。
ここは天守といわず天主といいます。
日本初の‘マンション’(高層住宅)NO住人は、間違いなく信長でした。
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