母ふたりで‘かぞく’はじめました。
東京オリンピック、楽しみですね。
このスポーツの祭典の精神「オリンピック憲章」に、「性的指向による差別は許されない」という条項があるのご存知でしょうか? そして日本では、同性婚を認めないままオリンピック開幕の日を迎えようとしています。
2019年2月14日、バレンタインデーの日に東京、大阪、名古屋、札幌の4カ所で、同年の9月5日には福岡でも、日本初の同性婚についての集団訴訟(「結婚の自由をすべての人に」訴訟)が、国を相手に起こされました。
本書の著者、小野春さんはその訴訟の原告のひとりです。
小野春さんは、40過ぎの‘ごく普通のおばさん’です。
ただひとつ違うのは、バイセクシャルであるということ。
自分のセクシュアリティに気づくのが遅く、それをはっきりと認識した時は、すでに猛烈な‘孤育て’の真っただ中。
それが、親子ともども風邪をひき、高熱を発して寝込んでいた寒さ厳しい冬のある日、救世主が現れるのです(ウォッカのビンをぶら下げて)。
彼女の名前は麻ちゃん。
それから、運命の糸に操られるようにふたりは惹かれ合い、やがてお互いを同性パートナーとして人生を歩む決意をします。
麻ちゃんと同性カップルとして生きていくのは、常に「ビクビクと」「しかたなく」「迷いに迷いながら」「やむにやまれず」の連続でした。
それぞれの連れ子3人を育て始めてぶつかった、娘からの猛烈な反発と自己嫌悪。
敬虔なカトリック信者である母親へのカミングアウト。
しかし、どんなに壁にぶつかろうとも、それをひとつひとつ乗り越えるたびに、新たな人と繋がり、思わぬ体験をした小野春さんは、いつの間にか国を相手に訴訟(ケンカ)をすることになってしまうのです。
バイセクシャルの春さんとパートナー麻ちゃんが、母2人子ども3人の‘かぞく’を作り上げるまで。
そして自分と同じような子育てをするLGBTの仲間を支援する団体「にじいろかぞく」を立ち上げ、「結婚の自由をすべての人に」裁判に至るまで。
その約20年間にわたる、めったにない‘かぞく’の顛末を書きつくします。
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