自由学園物語
映画監督・羽仁進の素晴らしき個性は学園でいかに磨かれたか。
学園創始者の孫にもかかわらず,あまりにもユニークなために入学を拒否されそうになった著者が初めてあかす卒業までの13年間の成長の道程。
ボンヤリで、ひ弱な子が逞しく変わっていった学園生活をほのぼの、かつほろ苦く綴る自伝物語。
羽仁版トットちゃん。
●このごろの子どもは、リンゴの皮もむけない、魚もとらえられない。
そんな調査を読むと、僕は思わず、首をすくめます。
僕自身も、そんな子どもだったからです。
本ばかり読んでいて、働くことはおよそ苦手でした。
1日中、ボンヤリしているのが大好きで、何もできなかったのです。
そんな僕にとって、自由学園で受けた教育は、まさに、雷に打たれたようなものでした。
いま、振り返ってみると、あの日々が、たまらなくなつかしく、また、ありがたく思いだされるのです。
僕は、あの学校にとって、優等生ではありませんでした。
それどころか、どうしようもない劣等生だったのです。
しかし、そうだったからこそ、受けた教育を人一倍ありがたく思い出しているような気もします。
――「あとがき」より抜粋
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