「火附盗賊改」の正体――幕府と盗賊の三百年戦争
「火附盗賊改」と言えば、‘鬼の長谷川平蔵’の名が挙がる。
否、正確には長谷川平蔵の名しか挙がらない、とも言える。
実際、彼らは町奉行に比べ日陰の立場にあった。
だが、強盗・放火といった凶悪犯罪が多発した百万都市・江戸で、火附盗賊改ほど頼りにされた組織はなかった。
謎多き存在感と相まって、町人はもちろん武士たちも、畏怖と同時に畏敬の念を抱いたという。
本著では、凶悪な盗賊一味との対決を軸に、その誕生から変遷、彼らならではの捕り物、苛烈な詮議の様子、幕臣の中での位置づけ、人情味あふれる素顔まで、豊富な資料をもとに、旗本の中でも武闘派の猛者ぞろいだった火盗改の実像に迫る。
【目次】はじめに/第一章 戦国の争乱から「徳川の平和(パクス・トクガワーナ)」へ/第二章 最初の火附盗賊改/第三章 将軍吉宗の江戸/第四章 日本左衛門vs.徳山五兵衛/第五章 二人の長谷川平蔵/第六章 火附盗賊改の行く末/第七章 最後の火附盗賊改/おわりに
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