東京裏返し 社会学的街歩きガイド
これからの注目は「都心北部」だ! 『都市のドラマトゥルギー』から三〇年以上を経て、社会学者・吉見俊哉の新たな都市論が完成。
これまでに東京は三度「占領」されている。
一度目は徳川家康、二度目は明治政府、三度目はGHQによって。
消された記憶をたどっていくと、そこに見え隠れするのは、日本近代化の父と称される渋沢栄一であった。
本書の中核をなすのは、都心北部―上野、秋葉原、本郷、神保町、兜町、湯島、谷中、浅草、王子といったエリアである。
これらは三度目の占領以降、周縁化されてきた。
しかし今、世界からも注目される都心地域へと成熟している。
まさに中心へと「裏返し」されようとしているのだ。
詳細地図つきで街歩きガイドとしても最適。
○「街を見失わないために、ゆっくり移動することの価値を復権させましょう。
エンデが『モモ』のなかで示した時間論を、私たちは東京の街歩きにも活かしましょう。
モモの冒険が「灰色の男たち」から人々の時間を取り戻す挑戦であったのと同じように、私たちの街歩きもまた、高度成長期以降の開発主義の東京から、再び人間的時間を取り戻す戦略を含むことになります」――吉見俊哉
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