人間の土地へ
世界第2の高峰K2に日本人女性として初めて登頂した小松由佳。
標高8200メートルでビバークを余儀なくされた小松は、命からがら下山し、自分が大きな時間の流れの中で生かされているにすぎないと知る。
シリア沙漠で出会った半遊牧民の男性、ラドワンと恋に落ち、やがて彼の大家族の一員として受け入れられる。
平和だったシリアにも「アラブの春」の波は訪れ、百頭のラクダと共に長閑に暮らしていた一家も、否応なく内戦に巻き込まれていく。
徴兵により政府軍兵士となったラドワンだが、同胞に銃は向けられないと軍を脱走し、難民となる。
しかし安全を手にしたはずのヨルダンで、難民としての境遇に悩み、再び戦場であるシリアに自らの生きる意味を求めようとする。
二人の目を通し、戦場を内側から描いたノンフィクション。
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