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年34日だけの洋品店 大好きな町で私らしく働く

50代で何かを始める前提は、それが好きなことか、やりたいことか。
幼い頃から憧れだった、自分の店。
世間的に早いとはいえないが、気力も活力もたっぷり残っている50代半ば、人気の町・吉祥寺で、英国で探し集めた服と雑貨の店を始めた。
イメージは、イギリスの小さな町にある、衣類から本、食品までを扱う’よろず屋’。
物件探し、リフォーム、仕入れ交渉、初めての接客……ひとつひとつクリアして、夢をかなえた。
英国情報誌の編集長とかけもちのため、年34日だけの営業だが、「ここにしかない物に出会える」と、開店を心待ちにしている顧客も多い。
愛すべき居場所を手に入れた《ときどき店主》が、忙しくも満ち足りた日々を綴る。
何か始めたい、働き方を変えたい人の背中を押してくれる、50代の奮闘記。
【本文より】物を売るだけでなく、イギリスの生活文化や風土までお客さんに届けたい。
扱う商品のほとんどは、イギリスの小さな工房や個人の手仕事。
商品を仕入れる時は、お客さん一人ひとりを思い浮かべる。
店の一日は何もかもが非日常で、何年経っても開店前日はハラハラドキドキ。
毎回、お店の最終日には、私も店で買い物をする。
そこには、年を重ねてやっと見つけたものたちが、よそゆきの顔をして並んでいる。




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