この世に生きて ―静枝ものがたり―
大正時代に生まれた静枝は幼い日に母を亡くす。
泣き虫の静枝は運動が苦手である。
それでも秘めた強さがあった。
まず、のどかな田舎に起こる事件が子供の目を通して描かれる。
静枝は教師一家に生まれ育ち、学生時代に良き師と出会い、自らもそうなろうと邁進し、念願を果たす。
結婚適齢期になって縁談の話が持ちあがる。
学生時代に憧れていた先生からのもあったが、資産家の次男との結婚を決意する。
戦時下で人の心も荒んでいた。
静枝には十分な食料もなく殺伐とした都会生活は耐えられない。
夫に赤紙が来て一人暮らしになる。
やがて終戦になり、夫は帰還するが仕事を失う。
主人の実家は「余裕住宅」と見なされ、他人を入れたくない義母の要求で夫の実家に入り女中扱いされる。
無職で無責任な夫に頼らず、経済的に自立するために復職する。
赴任校は民主教育を盾に日教組が支配する自由放逸な学校であった。
静枝は「師」としての矜持を忘れず、一人これに立ち向かう。
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