明治の御世の「坊っちやん」
「坊っちやん」はいったい誰なのか――夏目漱石の『坊っちやん』には物語の不自然な展開や特異な表記が散見されることが知られている。
ところがそれらは読む人が読めばピンとくる「仕掛け」であった。
夢幻能の様式を借り、戯作の手法を駆使して生み出された諷刺文学――これこそがこの国民的小説の神髄である。
漱石は、表だって語れなかった明治藩閥政府や日露戦争への痛烈な批判を、痛快な物語の中に込めていたのである。
直筆原稿に基づいた斬新かつ冴え渡る「読み」によって、「坊っちやん」のもうひとつの姿が浮かび上がる!
更新中です。しばらくお待ちください。