「君が代少年」を探して 台湾人と日本語教育
昭和十(一九三五)年に起きた台湾大地震。
その際に『君が代』を歌いながら死んでいった少年の話が、国定教科書に掲載されていた。
このことは何を意味しているのか? そして「君が代少年」は実在したのか? 資料を読み、彼らを教えた日本人教師に取材し、現地・台湾を訪れる。
ついに「少年」の遺族や幼馴染みに会って真実を突き止め、台湾人の日本と日本語への思いを明らかにする。
皇民化教育と日本語という、忘れてはならない課題を、一人一人の「生き死にの束」から捉えたノンフィクション。
●村上政彦(むらかみ・まさひこ)作家。
1987年『純愛』で福武書店(現・ベネッセ)主催の「海燕」新人文学賞を受賞。
以後『ドライヴしない?』『ナイスボール』『青空』『量子のベルカント』『分界線』で5回の芥川賞候補に。
また『ナイスボール』は相米慎二監督により『あ、春』として映画化、ベルリン国際映画祭国際批評家連盟賞を受賞。
アジアの物語作家を自任している。
近著に『台湾聖母』(コールサック社)。
日本文藝家協会常務理事。
日本ペンクラブ会員。
文化庁国語分科会委員。
「脱原発社会をめざす文学者の会」事務局長。
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