宇治十帖解読
この世は虚構のうえに成り立っているのか。
世の中をそのように見たときに、人はいかに生きるべきだろうか。
浮舟のように、身分も高く裕福で美しい男性から求められるのは、女性としての憧れだと思われがちである。
しかしそれで満足できるのは愚かな人間だけだ。
実はそうした中でこそ、これまで気づかなかった人間の浅ましい欲望の姿を知ってしまい、今まで信頼していた人々ももはや信頼に足るとは思えなくなる。
そうした絶望の果てから確かなものをつかもうとする浮舟の姿は、現代人にとっても無縁ではない。
「流される女性」というイメージが定着している浮舟だが、彼女の生き方をたどりながら、とてつもない絶望を味わったからこそ確信をもって進む道を決められたのではないかと解く一書。
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