認知症と脳卒中を患った夫とともに 生きている喜び
大学で心理学の教鞭を執っていた夫が、定年後、認知症になってしまう。
妻である著者は病の宣告にショックを受けるが、それ以上に、「認知症」が偏見や差別の対象となる社会的な病であると知り、暗澹たる思いに捉われる。
実は著者には、辛い過去があった。
それは、現在は健やかに成長している娘二人が、生後まもなく「余命半年。
もし生きられたとしても重度の知的障害になるかもしれない」と医者から宣告されてしまうというもの。
当時、憔悴する著者に対して、夫が投げかけてくれた心強い言葉が、「医学を信頼することは大切だけれど、医師の言葉を鵜呑みにしてはいけない」というもの。
そして、聖書の中の言葉、「明日のことを思い煩うな」――それらが重なり合って著者の胸に響き、現状を嘆くのではなく、夫と過ごす一日一日を改めて大切にしようと決意する。
この後、夫はさらに脳卒中も発症してしまうが、著者は希望と明るさを失わずに、周囲の協力も得ながら自宅介護を続ける。
介護問題や命の尊厳、家族の絆、夫婦愛についても考えるきっかけを与えてくれる、感動のノンフィクション!
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