「生涯現役」をかなえる在宅透析
医療機関での透析に苦しむ人へ。
食事や水分の制限も、通院の負担もない!健康な人に近い生活を実現できる「在宅透析」の魅力とは。
わが国で透析といえば一般的に、医療機関に通って行う「施設血液透析」のことを指します。
実際に9割の患者がこの方法で治療を受けています。
しかしこの方法は、人間らしい生活が奪われるといっても過言ではなく、導入直後は特につらい治療です。
そこで強くすすめたいのが、家にいながらにしてできる「在宅透析」です。
───────────────────────────────────────現代の日本では、脂質や糖質の多い食事や運動不足、ストレスなどの要因から生活習慣病になり、透析が必要になる患者が増え続けています。
多くの透析患者は病院に通って治療を受けていますが、この「施設血液透析」では1回につき4時間の治療を週に何回も行わなければならないため、時間的にも精神的にも負担を伴います。
また、食事などについても厳しい制限を受けます。
そういった透析のネガティブな面は世間一般にも認識されていて、透析がはじまると「人生終わり」だと絶望してしまう人も少なくありません。
しかし、透析患者にも健康な人と同じように、自由で幸せに生きる権利があります。
透析患者が人生を輝かせるためにすすめたいのが、「在宅透析」という手段です。
「在宅透析」には器械を家に置いて、施設と同じように透析を行う方法と、自分の腹膜を使って行う腹膜透析という方法があり、毎日実施することができます。
通院回数も減るため自由な時間が増えますし、施設血液透析よりも体調がよくなるというメリットがあります。
「在宅透析」を活用すれば、それまで諦めていた仕事や趣味などをしやすくなり、自由な人生を送ることも夢ではなくなります。
本書では、「在宅透析」の基本的な知識やメリットのほか、慢性腎臓病の家庭でのケア方法、企業が透析患者を雇用する際の留意点など、在宅透析と慢性腎臓病に関して幅広く解説します。
目次はじめに第1章 慢性透析患者が増え続ける日本 ・超高齢社会を背景に、透析患者数も右肩上がり・「肝腎かなめ」といわれるけれど、意外と知られていない腎臓の働き・CKDにかかると、体がおぼれてしまう!?・血圧の安定や血液をつくる働きも。
腎臓はマルチプレーヤー・腎不全の治療「腎代替療法」はこれだけある・施設血液透析とは・コラム ドライウェイトはなぜ大事か・透析患者の余命は延びている、でも……第2章 一般的な血液透析療法の問題点―社会復帰を難しくしているのはなぜ?――・「働きたくても働けない」患者さんが多い・就労の壁が高い透析治療・代替できる機能に限りがある・透析は「つらいもの」が一般認識・合併症とは一生の付き合いに・施設血液透析は、生活の自由を奪う・「週3回、1回4時間」では足りない・個人差が考慮されにくいベルトコンベアー式治療・「元気でいきいき、自立した生活」のために望ましい透析とは?・回数が多いほど寿命が延びる・施設血液透析の限界・コラム 施設血液透析にもバリエーションが登場している第3章 透析患者の社会活動の門戸を開く在宅透析(1):在宅血液透析・在宅血液透析とは・在宅血液透析の優れた点・在宅血液透析を導入するためには・透析導入後の流れ・在宅透析の課題・IT技術の導入で安心感アップ・導入後のアフターフォロー・自分で学ぶ姿勢が必要・普及率が低い理由は医療機関側にも・在宅血液透析Q&A第4章 透析患者の社会活動の門戸を開く在宅透析(2):腹膜透析、ハイブリッド療法・在宅でできるもう1つの方法「腹膜透析」・腹膜透析の長所と短所・ハイブリッド療法とは?・ハイブリッド療法の利点と欠点・「腹膜ノート」で日々の健康状態を管理・ライフスタイルに応じて選べることが大事・ハイブリッド療法Q&Aほか
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