もしものためのペット専門医療
飼い主の意識×医療従事者の意識×治療技術3つが掛け合わされて初めて、動物医療は進歩する日本獣医師会の発表によると、1980年の犬猫の平均寿命は3〜4歳でした。
1990年頃には約10歳、現在では13〜14歳と40年の間に10歳を寿命が延びています。
ペットが長生きし、大事に飼われるのは喜ばしいことですが、高齢化による病気のリスクは高まりました。
「がん」や「認知症」、「心臓病」、「関節疾患」など、高齢になるとかかりやすい、人間と同じような病気がペットにも起こるからです。
(「はじめに」より抜粋)--------------------------------飼い主のペットに対する健康志向が高まるにつれて、動物医療に対して求められることは多様化し、専門的な知識が必要とされてきています。
内科、外科、耳鼻科、眼科……と細かく診療科が分かれている人間の病院に対し、動物病院は多くの場合、1人の医師が全身すべての病気を診る「1人総合病院」状態が一般的でした。
しかし、そこから脱却し、高度医療を担う施設や専門分野に特化した病院の増加、施設間で連携し紹介しあう体制づくりなど、人間のような医療体制が求められています。
動物にも高度で専門的な知識を提供できれば、今まで救えなかった命を救うことができるからです。
本書では、グループ病院全体で年間3000件を超える手術を行うなど、動物の高度医療を目指す獣医師が、診断や治療の最前線を紹介し、ペットの「こんなとき、どうする?」という悩みにも、症状別に分かりやすく解説しています。
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