春の宵につまむ鯛の刺身、秋には毎日のように食べた秋刀魚、冬の料理に欠かせぬ柚子の芳香……季節折々の食の楽しみと、それらが呼び覚ます思い出を豊かに描いた「味の歳時記」。<br />フランス旅行で偶然出会った、江戸の面影を感じさせる居酒屋‘B・O・F’への偏愛をつづる「パリ・レアールの変貌」など。<br />食を愛し、旅を愛した大作家の、絶筆となった小説や座談会も収録した傑作随筆集。<br />