戦国期の古城を思う作家の眼は、そこに将卒たちの衷心を見る。<br />戦国の世を切り開いた快男児北条早雲ゆかりの城。<br />今川、北条、上杉、大久保等々つわものどもの悲憤や慨歎を今に伝える城。<br />徳川と武田の激闘と慟哭を刻む城など、遠江、伊豆、相模の主要な城址を廻り、通暁暢達の文体で、その無尽の想見と広博な歴史観を明晰に写す、珠玉の城塞紀行。<br />