見渡す限り桜満開の美しい情景が続く霊園――。<br />志賀直哉の末娘の死を描いた「花がたみ」。<br />旅の帰路に会った見知らぬ男性との、一瞬の邂逅を描く「鮨」。<br />夏目漱石・内田百間の衣鉢を継ぐ「贋々作『猫』」……。<br />詩情と諧謔に満ちた短篇小説の名品や、馥郁たる日本語の粋を尽した随筆類と共に、吉行淳之介・遠藤周作を偲ぶ座談会などを収録。<br />70年近い著者の文筆生活を締め括る、最後の一冊。<br />※新潮文庫に掲載の写真は、電子版には収録しておりません。<br />
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