その食い意地こそが、最大の魅力。<br />「料理は藝術。<br />美食は思想」という哲学を生涯貫き、粋な江戸前料理からハイカラな洋食、京都の割烹、本場の中華まで、この世のうまいものを食べ尽くした谷崎潤一郎。<br />「食魔」とも称された美食経験は数多の名作に昇華され、食を通して人間の業を描いた。<br />「悪い女ほどよく食べる」「蒟蒻とサドマゾ」「東西味くらべ」など、斬新なアングルで新たな魅力を掘り起こす、かつてない谷崎潤一郎論!