一九四九年、中国・山西省でまだ日本兵たちは戦っていた。<br />彼らだけではない。<br />帰国した大本営参謀、軍人や児玉誉士夫らは、「理想」の実現を諦めずに戦い続けていたのである。<br />ある者はアメリカと手を結んで反共活動に身を捧げ、ある者は日本軍復活のために奔走し、ある者は政界工作に突き進んだ。<br />その活動はいつしか、東アジア全体へと波及していく。<br />CIA文書など発掘資料をふんだんに使いながら描く、戦後の裏面史。<br />