かつてコロラド大学で教えた女子学生から挫折の手紙が届いた。<br />筆者は彼女を激励しつつ、学問の困難さを懇々と説く。<br />だが、困難とはいえ数学には、複雑な部分部分がはりつめた糸で結ばれた、芸術ともいうべき美の極致がある。<br />また、父・新田次郎に励まされた文筆修行、数学と文学の間を行き来しながら思うことなど、若き数学者が真摯な情熱とさりげないユーモアで綴るエッセイ集。<br />