どこにも関係のない、どこにも属さない一人の人間としての時間──それは、人間を人間としてよみがえらせ、より大きく育て上げる時間となるだろう。<br />「無所属の時間」を過ごすことで、どう生き直すかを問い続ける著者。<br />その厳しい批評眼と暖かい人生観は、さりげない日常の一つ一つの出来事にまで注がれている。<br />人と社会を見つめてきた作家の思いと言葉が凝縮された心に迫る随筆集。<br />