考えに考え抜き、自分の底を突き破った先にあるものは――。<br />世の不条理、生きる悲しみ、人生のさだめなどを、歩きながら沈思黙考し、「日本人の哲学」を誕生させた西田幾多郎。<br />自分であって自分でなくする「無私」とはどんな思想なのか。<br />その根源にある「無」とは何か。<br />純粋経験、理性と精神、死と生、論理と生命、根本実在……難解な言葉をかみくだき、「西田哲学」の沃野を、稀代の思想家が柔らかな筆致で読み解く至高の論考。<br />