リサイタルという形式を発明した「史上初のピアニスト」フランツ・リストは、音楽史上もっともモテた男である。<br />その超絶技巧はヨーロッパを熱狂させ、失神する女たちが続出した。<br />聴衆の大衆化、ピアノ産業の勃興、スキャンダルがスターをつくり出すメカニズム……リストの来歴を振り返ると、現代にまで通じる十九世紀の特性が鮮やかに浮かび上がってくる。<br />音楽の見方を一変させる一冊。<br />