早稲田大学を出てアニメーション制作会社へ入ったごく普通の青年がいた。<br />駆け出しながら人気アニメ作品の演出にも携わるようになったが、24歳のある日を境に、仕事場では突飛な大言壮語をし、新聞記事を勝手に自分宛のメッセージと感じ、また盗聴されている、毒を盛られるといった妄想を抱き始め……。<br />四半世紀に亘る病の経過を患者本人が綴る稀有な闘病記にして、一つの青春記。<br />