1945年の終戦直後、焦土と化した東京では、家も家族もなくした浮浪児が野に放り出されていた。<br />その数、全国で3万以上。<br />金もなければ食べ物もない。<br />物乞い、窃盗、スリ……生きるためにあらゆることをした。<br />時に野良犬を殺して食べ、握り飯一個と引き換えに体を売ってまで――。<br />残された資料と当事者の証言から、元浮浪児の十字架を背負った者たちの人生を追う。<br />戦後裏面史に切り込む問題作。<br />