大正から昭和初期にかけて起きた親鸞ブーム。<br />その絶対他力や自然法爾の思想は、やがて‘国体’を正当化する論理として、右翼や国粋主義者の拠り所となる。<br />ある者は煩悶の末に、ある者は戦争の大義を説くために「弥陀の本願=天皇の大御心」と主張した。<br />「親鸞思想と国体」という近代日本の盲点を衝き、信仰と愛国の危険な関係に迫る。<br />