「維新の三傑」でありながら、西南戦争を引き起こした賊軍の首魁。<br />にもかかわらず、国民の間では圧倒的な人気を誇る。<br />武士にして思想家、軍略家にして温情の人、農本主義者にして詩人でもあった。<br />西郷隆盛ほど捉えにくい人物はいない。<br />だからこそ、さまざまな西郷論が語られ続けてきた。<br />その変遷はまた、時代を映す鏡でもある。<br />同時代人の証言から、小説における描かれ方までを総ざらいする。<br />