あの日、3月11日。<br />三陸の港町釜石は海の底に沈んだ。<br />安置所に運び込まれる多くの遺体。<br />遺された者たちは懸命に身元確認作業にのぞむ。<br />幼い我が子が眼前で津波にのまれた母親。<br />冷たくなった友人……。<br />悲しみの底に引きずり込まれそうになりながらも、犠牲者を家族のもとへ帰したい一心で現実を直視し、死者の尊厳を守り抜く。<br />知られざる震災の真実を描いた渾身のルポルタージュ。<br />