「師と出会ったことで、不信心についての私の苦がいくらか薄らいできているのを感じる。<br />この歳でまた少し生まれ変わったようなもの」(高村薫)、「同時代に彼女がおられることは、救いとしか言いようがない」(南直哉)。<br />ある作品を媒介に作家と禅僧が出会い、七年越しの対話が始まった。<br />信心への懐疑、坐禅の先にあるもの、震災とオウム……はたして仏教は、人生のヒントとなるか。<br />実存の根源的危機が迫る時代に、生死の覚悟を問う。<br />