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司馬遼太郎の「日本人論」と現代の日本 二十一世紀の日本人にその声は届いているか

司馬遼太郎は、日本の近代のルーツを鎌倉幕府の誕生に求めた。
封建制は進歩の力を内包し、西欧近代へも親和的な統治システムだったからだ。
こうした中世を経験しなかったアジアの国々は立ち遅れた。
一方で、日本人が長く育んできた道徳観や規範意識は、進歩と安定を調和させ、近代化を支えた。
我々がそうした伝統の下にあることは、現代の日本が、世界中でも稀に見る、豊かで秩序ある社会を実現させていることからも明らかである。
しかし、その良き伝統は一時期失われ、太平洋戦争に向かう異胎の時代を生んだ。
世界の動きに耳目を塞ぎ、合理的に考えることを怠れば、国は容易に危機に瀕する、それが、司馬のもう一方のメッセージでもあった。
世界の組合員としての振る舞い、イデオロギーの対立の克服、歴史認識問題など、司馬の声を聞きながら、日本のこれから歩むべき道について考えてみる。




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