広報の極意
本書は、マツダ、GM、フォルクスワーゲン、アウディの4つの自動車会社で38年間、広報を一貫して担当してきた著者の経験を踏まえた広報の指南書であり、同時に、日本、アメリア、ドイツの自動車会社の経営戦略を通してみたマネジメントと組織文化の考察にもなっている。
第一部では、トップマネジメントとメディアの橋渡しとなる広報の役割と責任や、コミュニケーション戦略におけるマーケティングとの協力のあり方を実例を引きながら紹介し、さらにSNSやSDGsの時代において重要性を増す広報活動について触れる。
第二部では、1980年代のマツダの米国生産工場の設立、GMの小型車ブランド「サターン」の日本進出と撤退の経緯とその革新的な企業フィロソフィーを振り返り、さらに、技術力を持って世界の自動車メーカーの頂点を目指したフォルクスワーゲングループの躍進と躓きを概観する。
著者の回顧録的な要素が強いが、広報活動の実例から学び、巨大資本が世界を舞台に競う自動車産業の一端を知るには、参考になろう。
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