強父論
「俺が死んでも讃える追悼記など書くな」という父・阿川弘之の遺言に、「お父ちゃんがいかに無茶苦茶な人であったか。
周囲がどれほどひどい目に遭わされたか。
思い出すかぎり、精根込めて書いてみる」とエッセイストの娘が綴る、前代未聞の追悼記。
94歳で大往生した破天荒な父の「強父語録」を挙げてみると──。
・老人ホームに入れたら自殺してやる!・のたれ死のうが女郎屋に行こうが勝手にしろ・勉強なんかするな。
学校へ行くな・結論から言え、結論から・今後、誕生日会を禁止する!・大学でサムシングを学んでこい・戦後教育が悪いからバカが育つ・お前の名前はお墓から取った・知ったかぶりをした文章を書くな・朝日の手先になりやがって・お前は俺にそっくりだ あまりの暴言に震え、時折のユーモアに笑いつつ、いつしか父と娘の不思議な情愛に胸が熱くなる。
解説・倉本聰
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