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こころを磨くSOJIの習慣

※本書は小社より2019年4月に発売した『掃除道入門』を改題したものです。
世界から注目される日本の「掃除」掃除は、日常の中でできるマインドフルネス・ものを片付け、こころの整理整頓をする・床を磨き、こころの曇りをとる・落ち葉を掃き、こころのちりを除くあなたの掃除の時間が変わります!サッ、サッ。
一掃きごと、東京は神谷町のビルの谷間に、竹ぼうきの音がこだまします。
春は散りゆく梅や桜の花を惜しみながら、夏は群がる蚊に隙を与えない素早さで、秋は大量の落ち葉にもめげず、冬は冷たい北風に負けない運動量で、てきぱきと掃除をします。
「ひとりでする無心の掃除もよし。
みんなでするチームワークの掃除もよし。
誰にでも簡単に楽しくでき、それでいて奥深い。
それが掃除です。
道理はいたってシンプルです。
上から下へ。
流れに逆らわず。
すべてのものを大切に。
特別な技術はいりません。
お釈迦さまの仏弟子のひとり、周利槃特は「ちりを払い、垢を除かん」と唱えながら、ひたすらほうきで掃き続け、悟りを得たといいます。
お寺の世界では伝統的に、掃除をはじめ、薪割りや草取りなど修行環境を整えるために必要な仕事を「作務」と呼んできました。
旅館の部屋着としてもお馴染みの「作務衣」は、もともと僧侶の作務のために動きやすく作られたものです。
坐禅や念仏など、日本仏教にはいろいろなかたちがありますが、いずれにおいても掃除は修行の基本です。
人生は日日是修行。
粗雑な生き方をすればこころは汚れ、丁寧な生き方をすればこころもきれいに整います。
日々の掃除で暮らしの環境を整えれば、おのずとこころも整うというもの。
うつ病などこころの病のセラピーに掃除が取り入れられるのもうなずけます。
掃除には、お寺の修行の大切な要素がすべて詰まっています。
掃除がもっとも長く時間をかけてなされる修行とされている僧堂も、少なくありません。
僧堂で修行僧たちが掃除を通じてどのような変化をしていくのか、今回の本では仏道の大先輩方と対話させていただいて見えてきた、掃除と人の成長の関係についても紹介していきます。
そしてまた、私たちの掃除が、個人の内面だけでなく、私たちの暮らす地球を磨くこととどうつながっていくのかも。
特別なことは何ひとつありません。
でも、本当に大切なことは、実は何も特別なことではないのだと、本当は誰もが知っているのではないでしょうか。
この本を読んだ皆さんにとって、掃除がより楽しく、より慈義深いものになり、良い習慣として身につけられることを願っています。




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