はじめよう、お金の地産地消――地域の課題を「お金と人のエコシステム」で解決する
「お金の流れ」が変われば、地域はもっと元気になる。
子育て、介護、環境…地域づくりに取り組む人を みんなで応援する仕組みをつくろう。
若者たちが始め、金融機関、自治体、企業、大学、 そして多くの個人を巻き込んで広がる 「地域のお金を地域で生かす」挑戦。
・名古屋発、地域を変える「お金の流れ」の新モデルを紹介 ・12年間貸し倒れゼロ! 金融の常識を覆したNPOバンクの軌跡 ・まちづくり・金融機関・ソーシャルビジネス関係者、必読の1冊 【日経ソーシャルイニシアチブ大賞(国内部門賞)、寄付月間公式認定企画大賞、日本パートナーシップ大賞(地域ファイナンス賞)を続々受賞。
注目の社会起業家、初の著書が遂に出版! 】 第1章 新しいお金の流れをつくる――いま各地で起きていること 第2章 過去を見るか、未来を見るか――NPOバンクmomoはなぜ貸し倒れゼロなのか 第3章 お金と人のエコシステム――地域に必要な仕事を、みんなで応援する 第4章 仕事の「価値」って何だろう――お金でないものを見つめる 第5章 小さな一歩から始まる――地域課題への挑戦者たち 第6章 共助社会をめざして――誰もが当事者になる時代 (以下、「はじめに」より一部抜粋) 「お金の地産地消」という言葉から、みなさんはどんなことをイメージするでしょうか。
大学卒業後、地方銀行を経てNGOに勤務したぼくは2005年、28歳のとき故郷の名古屋に戻り、NPOバンク「コミュニティ・ユース・バンクmomo」を立ち上げました。
地域のさまざまな課題の解決に挑むNPOやソーシャルビジネスを、「お金」と「人のつながり」で応援する団体です。
営利を目的としないNPOやソーシャルビジネスは、社会にとって重要な役割を担っているにもかかわらず、既存の金融機関からお金を借りることが難しく、そのため活動の継続が困難になることがしばしばあります。
ぼくたちは、そんなNPOなどに低金利でお金を貸しています。
お金だけでなく、活動のPRを手伝ったり、ボランティアを紹介したり、さまざまな人的支援も提供しています。
NPO向けの融資なんてうまくいくわけがない、無謀だ、と言われました。
しかもスタッフは全員がボランティアで、ほとんど金融の知識のない若者たちばかりでしたから、大反対されたのは無理もありません。
しかし、以後の12年間、1件の貸し倒れも出すことなく、運営を続けています。
一部を後に紹介しますが、限界集落の支援、子育て支援、高齢者福祉、障がい者福祉、環境保護など、さまざまな地域課題の解決に挑戦する人たちを応援してきました。
元手となるのは、主として市民のみなさんからの出資金や寄付金です。
「地域のために何かしたい」という思いのこもったお金――ぼくたちは「志金」と呼んでいます――を託していただき、そのお金を活用して、地域課題の解決に乗り出したNPOやソーシャルビジネスを応援する。
地域のお金を、地域をよりよいものにするための事業に回す。
地域のお金を地域で生かす。
これが「お金の地産地消」です。
この本は、いま着実に広がりつつある「お金の地産地消」の必要性と可能性を、実際の事例を通して紹介する本です。
そして、みなさん一人ひとりにも、それぞれにできることから、「お金の地産地消」に関わってもらいたい。
そんな思いで書いた本です。
更新中です。しばらくお待ちください。