南米・アンデス山中のアタカマは、「世界最悪の場所」と恐れられる未踏の高地である。<br />強風、砂の猛威、異常乾燥、塩湖や死火山の強烈な原色……。<br />本書はこの凄絶な高地を、砂に埋もれたインカの道を頼りに、地質・気象・植物・民俗の調査を行いながら徒歩とジープで縦断した著者を隊長とする男たちの記録である。<br />人間の力の極限に挑む走行一千キロの旅は、現代生活で失われたものは何かという問いの中に向かって走り続ける。<br />