中学・高校の古文の授業で私たちは「歴史的かなづかい」に出会い、例えば現在「カワ」と発音する語がかつては「かは」と書かれたことを知る。<br />なぜ発音と表記は違うのか、表記はいかに揺れてきたのか。<br />仮名が生まれた十世紀の『土左日記』に始まり、藤原定家の「定家かなづかい」、中世の実用的な文書、契沖のかなづかい。<br />そして明治期の小学校教科書や野口英世の母の手紙まで。<br />「かなづかい」でたどる日本語の歴史。<br />