唯一の戦争被爆国である日本。<br />戦後、米国の「核の傘」の下にありながら、一貫して「軍事利用」には批判的だ。<br />だが原子力発電を始めとする「平和利用」についてはイデオロギーと関わりなく広範な支持を得てきた。<br />東日本大震災後もなお支持は強い。<br />それはなぜか――。<br />本書は、報道、世論、知識人、さらにはマンガ、映画などのポピュラー文化に注目、戦後日本人の核エネルギーへの嫌悪と歓迎に揺れる複雑な意識と、その軌跡を追う。<br />