「わたしの孫はおじいさんですよ」「わたしの孫はおばあさんですよ」。<br />この会話は、一見すると不自然である。<br />だが、当人たちは何の問題もなく意思疎通ができている(第2章参照)。<br />私たちは、ことばを「文字どおり」に使っているわけではない。<br />話していないのに伝わることもあれば、丁寧に説明していても誤解されることがあるのはなぜか。<br />社会心理学の視点から、敬意表現や皮肉など、対人関係のことばの謎に迫る。<br />