大宝元年（七〇一）、藤原不比等の子として生まれ、同い年の聖武天皇と同じ邸宅で育った光明子。<br />やがて皇后となり、天武―文武―聖武と続く皇統の維持が最大の使命となる。<br />だが、長屋王の変、相次ぐ遷都、身近な人々の死など、動乱の荒波は彼女にひとときの安らぎも与えることはなかった。<br />「稀代の女傑」か、慈悲深い篤信の女性か。<br />毀誉褒貶半ばする光明皇后の心奥まで光を当て、天平のヒロインの実像にダイナミックに迫る。<br />
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