観応の擾乱は、征夷大将軍・足利尊氏と、幕政を主導していた弟の直義との対立から起きた全国規模の内乱である。<br />室町幕府中枢が分裂したため、諸将の立場も真っ二つに分かれた。<br />さらに権力奪取を目論む南朝も蠢き、情勢は二転三転する。<br />本書は、戦乱前夜の動きも踏まえて一三五〇年から五二年にかけての内乱を読み解く。<br />一族、執事をも巻き込んだ争いは、日本の中世に何をもたらしたのか。<br />その全貌を描き出す。<br />