天才という呼称すら陳腐なものとする人物が歴史上には存在する。<br />十九世紀、十代にして数学の歴史を書き替えたガロアは、まぎれもなくその一人だ。<br />享年二十。<br />現代数学への道を切り拓く新たな構想を抱えたまま、決闘による謎の死で生涯を閉じる。<br />不滅の業績、過激な政治活動、不遇への焦りと苛立ち、実らなかった恋-革命後の騒乱続くパリを駆け抜けた、年若き数学者が見ていた世界とは。<br />幻の著作の序文を全文掲載。<br />