パリ解放とドゴールの凱旋によって出発したフランスの戦後には疲弊した経済の立て直し、植民地解放運動への対処等課題が山積していた。<br />とりわけアルジェリア紛争は国内分裂を招きかねない危機であった。<br />これを乗り切ったドゴールの指導力も、五八年五月の学生反乱を契機とする変革の波には抗し切れなかった。<br />高度産業社会は伝統的価値観も転換させたのである。<br />英雄の時代からコアビタシオン(保革共存)へ向かうフランスの試行の足跡。<br />