城郭や寺社を訪れるとき、まず目に入るのは屋根である。<br />遠くからでもキラキラと光って目立つ屋根は、権威や崇高ささえ感じさせる。<br />このような日本の屋根はどのようにして発達してきたのだろうか。<br />葺材の重さに耐え、雨漏りと戦いながら、職人たちの創意と工夫によって素材や構造を進化させ、独自の美を生みだしてきた。<br />国宝等の修復を数多く手がけてきた檜皮葺職人が、自らの経験をふまえて語る屋根の通史。<br />