一九七〇年前後まで、教養主義はキャンパスの規範文化であった。<br />それは、そのまま社会人になったあとまで、常識としてゆきわたっていた。<br />人格形成や社会改良のための読書による教養主義は、なぜ学生たちを魅了したのだろうか。<br />本書は、大正時代の旧制高校を発祥地として、その後の半世紀間、日本の大学に君臨した教養主義と教養主義者の輝ける実態と、その後の没落過程に光を当てる試みである。<br />