古事記は、八世紀に編纂された日本最古の書物のひとつである。<br />しかし古事記は突然出現したのではない。<br />縄文・弥生期から連綿と続く、無文字時代の神話がその源にあった。<br />著者は、無文字文化の「生きている神話」「生きている歌垣」が今なお残る中国長江流域の少数民族文化を調査し、神話の成立過程のモデルを大胆に構築。<br />イザナミやヤマトタケルの死、スサノオ伝承、黄泉の国神話、糞尿譚などを古事記の深層から読み直す。<br />