大名家の相続争いや君臣対立に端を発する御家騒動は、講談・歌舞伎などの格好の題材として庶民の関心を集めてきた。<br />その影響力は甚大で、家中の内紛が幕府に露見すれば即、取り潰しという固定観念が一般に流布する。<br />だが、騒動の実情はそれほど単純だったのだろうか。<br />本書では、黒田・伊達・加賀の三大騒動をはじめ、主要な御家騒動を丹念に検証。<br />下克上から泰平へという社会変動に着目し、幕藩関係のあり方を捉えなおす。<br />