処女にしてキリストを宿したとされるマリア。<br />処女懐胎はキリスト教の中心に横たわる奇跡であり、夥しい図像を生み出してきた。<br />「無原罪」の「?がない」という否定形の図像化一つとってみても、西洋絵画に与えたインスピレーションは巨大である。<br />また、「養父」ヨセフや、「マリアの母」アンナはどのように描かれてきたのか。<br />キリスト教が培ってきた柔軟な発想と表象を、キリストの「家族」の運命の変転を辿りつつ描き出す。<br />