花の好みに現れるように、日本人には西洋人とは違う感じ方がある。<br />「おもかげ」「なごり」「なつかしさ」など、日本人にとってそのものに「詩」を感じる言葉がある。<br />’世界’が’われ’のなかでどのように響き合うか。<br />それこそが感性であるならば、その多くは文化的な環境のなかで育まれ、個々の文化に固有の感性が生まれるだろう。<br />本書は日本的感性を和歌を素材として考察し、その特性である「ずらし」と「触覚性」を明らかにする。<br />