日露戦争は、日本とロシアにとってそれぞれにきわめて影響の大きい戦争であったが、客観的になかなか評価が確定していない。<br />戦後一〇〇年にあたり、その地球規模での意味に言及する試みがなされているが、本書は、ロシア近現代史の視点も含めて、戦争の背景・経過・影響を通覧しようとするものである。<br />双方の認識に極端な差があったことが、戦争の帰趨にどのように影響を及ぼしたかを明瞭に伝える。<br />