紀元前五世紀のインドで生まれた仏教。<br />中国では布教に漢訳の経典が用いられたのに対し、日本は漢文のまま経典を輸入した。<br />両国においてサンスクリットの原典は、ほとんど顧みられていない。<br />中国は漢訳ならではの解釈を生み出し、日本では特権的知識階級である僧が、意図的に読み替えた例もある。<br />ブッダの本来の教えをサンスクリット原典から読み解き、日中両国における仏教受容の思惑・計算・誤解を明らかにする。<br />